絶対反対
雑感 - 2017年10月06日 (金)
金融庁がFX取引の証拠金倍率(レバレッジ)の引き下げを検討しているとの報道が出ている。現行の最大25倍から10倍程度に引き下げるというもので、為替レートが急変動した場合に、個人投資家が想定を超える損失を抱えるリスクが高まっていると判断したと説明されている。
過去も引き下げた経緯があるが、これは全くの誤りであり、FX取引の実態を全く理解していない。個人投資家のFX取引は、「マージン・コール」として、預入証拠金の最低限を割り込むような動きが出た場合に、強制的にポジションを業者がカットするシステムを採用しており、最低でも預入金額以上の損失は、通常発生しない。確かに過去、南アランド円の銀行サイドのテクニカル的なミスやスイスフラン・ショックで、元本を割れる損失が発生したケースはあるが、これは実際レバレッジを引き下げれば解決される問題でもない。
特に財務省は、個人の金融取引の活性化や金融市場の国際化を目指しており、NISA取引の開始など新たな金融商品の導入など規制の緩和を進めている。そういった中、逆行する動きを示すのは不思議な感じが強い。それなら「子供NISA」など子供に株式の取引を推奨するなど、もっと最悪な政策だろう。
あくまで投資は自己責任であり、レバレッジも個人が自己のリスクで選択するべきものである。当局がこういった形で、規制することは、市場の活性化を奪うもので、いろいろ弊害を生む可能性が高い。 想定される弊害としては以下の通り。
・東京市場の為替取引高の減少=近年、東京インターバック市場の為替取引が大幅に減少しとており、他のアジア市場にシェアを奪われているが、これを日本の個人投資家の売買が補っている。
・円高リスクが高まる=個人投資家は、基本的に円売り戦略であり、この動きが円相場の上値抑えている。もし、こういった円売りが出なくなるなら、海外勢が仕掛けて的な円買いを仕掛けてきた場合に、歯止めがなくなるリスクが高い。
・FX業者の経営悪化=現状FX業者は過当競争状態であり、取引量の減少は死活問題。FX業者の経営不安は、個人投資家のリスクに跳ね返る可能性がある。
・スプレッドの拡大=現在、個人投資家のFXのスプレッドは、歴史的な低水準であるが、取引量の減少で業者の経営が悪化した場合、業者はこのスプレッドを広げて、利益を守ろうとするだろう。
・海外逃避=レバレッジが引き下げられた場合、敏感な投資家は、レバレッジ比率の大きい海外の取引業者に口座を移管するケースが増えそうだ。海外のFX業者の場合、当局の規制の働く国の場合はまだ良いが、イスラエルやロシアなど金融規制の及ばないブラックな取引業者などに口座を開いた場合、資金が戻ってこないようなケースも報告されている。
株が良くて、為替悪いというロジックはおかしいし、個人投資家を守るということが、逆に個人投資家を甘やかすことになり、こういった面が、日本の個人投資家を育てられない大きな要因であることを知るべきだ。
是非金融庁に、意見を述べよう。
金融庁HP
過去も引き下げた経緯があるが、これは全くの誤りであり、FX取引の実態を全く理解していない。個人投資家のFX取引は、「マージン・コール」として、預入証拠金の最低限を割り込むような動きが出た場合に、強制的にポジションを業者がカットするシステムを採用しており、最低でも預入金額以上の損失は、通常発生しない。確かに過去、南アランド円の銀行サイドのテクニカル的なミスやスイスフラン・ショックで、元本を割れる損失が発生したケースはあるが、これは実際レバレッジを引き下げれば解決される問題でもない。
特に財務省は、個人の金融取引の活性化や金融市場の国際化を目指しており、NISA取引の開始など新たな金融商品の導入など規制の緩和を進めている。そういった中、逆行する動きを示すのは不思議な感じが強い。それなら「子供NISA」など子供に株式の取引を推奨するなど、もっと最悪な政策だろう。
あくまで投資は自己責任であり、レバレッジも個人が自己のリスクで選択するべきものである。当局がこういった形で、規制することは、市場の活性化を奪うもので、いろいろ弊害を生む可能性が高い。 想定される弊害としては以下の通り。
・東京市場の為替取引高の減少=近年、東京インターバック市場の為替取引が大幅に減少しとており、他のアジア市場にシェアを奪われているが、これを日本の個人投資家の売買が補っている。
・円高リスクが高まる=個人投資家は、基本的に円売り戦略であり、この動きが円相場の上値抑えている。もし、こういった円売りが出なくなるなら、海外勢が仕掛けて的な円買いを仕掛けてきた場合に、歯止めがなくなるリスクが高い。
・FX業者の経営悪化=現状FX業者は過当競争状態であり、取引量の減少は死活問題。FX業者の経営不安は、個人投資家のリスクに跳ね返る可能性がある。
・スプレッドの拡大=現在、個人投資家のFXのスプレッドは、歴史的な低水準であるが、取引量の減少で業者の経営が悪化した場合、業者はこのスプレッドを広げて、利益を守ろうとするだろう。
・海外逃避=レバレッジが引き下げられた場合、敏感な投資家は、レバレッジ比率の大きい海外の取引業者に口座を移管するケースが増えそうだ。海外のFX業者の場合、当局の規制の働く国の場合はまだ良いが、イスラエルやロシアなど金融規制の及ばないブラックな取引業者などに口座を開いた場合、資金が戻ってこないようなケースも報告されている。
株が良くて、為替悪いというロジックはおかしいし、個人投資家を守るということが、逆に個人投資家を甘やかすことになり、こういった面が、日本の個人投資家を育てられない大きな要因であることを知るべきだ。
是非金融庁に、意見を述べよう。
金融庁HP